研究・調査・実践 看護ケアの質の測定用具の開発・4
看護ケアの質を構成する因子の検討
看護QA研究会
pp.494-500
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900213
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(10)対人関係(表23,24)
対人関係に関連して得られたinputの回答は,患者からは75件,看護婦からは78件とほぼ同数であった.患者のinputの内訳をみると,「他者との付き合いの問題」が最も多く,次いで「家族への気がね・心配」「看護婦に頼みにくい」,その他であったが,その対人関係の対象は「他の患者」「家族」「看護婦・他の医療従事者」があげられていた.その中で最も多かったのは,「看護婦・医療者への不満」であり,同じカテゴリーは看護婦からも問題としてあげられていた.その回答件数を患者,看護婦別にみると患者の方が看護婦の5倍以上であった.このことから,患者は病院の中では,対人関係の中でも特に医療関係者との関係を非常に重視していることが推察される.
また,看護婦のinputに関する回答の中で最も多かったのは「家族関係がまずい」であり,次いで「コンタクトがとりにくい」「他の患者との付き合いに伴う問題」などであった.回答の対人関係の対象は,「家族」「他の患者」「看護婦・他の医療従事者」などのカテゴリーに分けられた.看護婦は患者の家族関係の悪さを問題としてあげていたのに対して,患者も家族のことをあげてはいたが,それは「関係の悪さ」ではなく,むしろ「家族への気兼ね,心配,思いやり」的なことが多く,看護婦の捉えかたとは異なっていた.
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