焦点 看護ケアの質を構成する要素に関する質的研究
序言
看護ケアの質を構成する要素に含まれる看護技術
片田 範子
1
1兵庫県看護大学
pp.2-4
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900327
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今回は昨年の『看護研究』第28巻第4号「焦点◆看護ケアの質の評価に関する研究」の続編である。本号に含まれている5つの質的研究は,看護ケアの質に影響を与えると考えられる,看護の要素に含まれる看護技術を抽出することを目的にしている。本稿ではこれらがどのような経過で行なわれているのかということも含めて,「看護ケアの質」ということについて言及する。
今日の医療をとりまく状況は単に医学的な技術の向上を理由にめまぐるしく変化している訳ではなく,医療をとりまく社会経済的変化や医療を受ける人々の意識の変化から大きな影響を受け始めていると言える。自分で自分の健康を守るという意識の高揚,医療サービスの充実,医療名への患者・クライエントへの健康指導の期待,病院や診療所の水準の向上を望む声などが意識調査等で明らかになっている1)。また,テレビや雑誌等で流される医療に関する情報の早さと多さは,もはや医療情報は医療者によって占有されるものではなく,一般社会情報になりつつあることを示している。このような変化を踏まえ,日本においても提供する医療の質を評価することの必要性が言われ,第3者評価機構が誕生した。
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