連載 実証研究・4
千葉県下3病院にみる中小民間・「基準看護」非採用病院における看護労働
「看護婦」の基本的属性と職場移動の実態(下)―B,C病院「看護婦」の事例
林 千冬
1
1東京大学大学院医学系研究科博士課程・保健社会学教室
pp.44-50
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900145
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B病院「看護婦」(表1)
中高年准看護婦たち
B病院「看護婦」には中高年者がきわめて多く,15名中11名が40歳以上である.平均年齢は45.3歳で,これは全国平均(従業員100~999人規模,33.4歳,1989年)を10ポイント余り上回る数値である.家族背景は,唯一20歳代のBcと,離婚歴のある1名を除いては,すべてが既婚者である.最終学歴では中学卒業が8名(うち,定時制高校中退3名),定時制高校卒業が4名,全日制高校卒業が5名で,このうち定時制高校卒業者は,すべて准看護婦資格取得後,病院勤務をしながら通学・卒業した者である.
このように,B病院「看護婦」の構成は,中高年・准看護婦資格・中学卒業(あるいは定時制高校卒業)が中心となっている.これら「看護婦」の多くは,1951年の准看護婦制度発足直後"中卒准看護婦"が一般的であった頃の,"初期准看護婦世代"である.これに該当する者が,「看護婦」15名中10名もを占めているのが,B病院の大きな特徴である.
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