研究・調査・実践
患者のケア必要度と看護要員構成の関係
菅田 勝也
1
,
藤枝 知子
2
,
高橋 美智
3
,
坊城 中子
4
,
宮本 昭子
5
1東京大学医学部健康科学・看護学科基礎看護学教室
2東京女子医科大学病院看護部
3東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
4茨城県きぬ看護専門学校
5国家公務員等共済組合連合会三宿病院看護部
pp.363-370
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900133
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者数に対する看護婦・准看護婦の数が最も多いのは小児科系と産婦人科病棟,少ないのは老人病棟と精神病棟,その中間に位置するのが内科系・外科系・混合病棟であった.各病棟・診療科とも,患者数と看護要員配置数は強く関連していたが,患者のケア必要度が看護要員構成に及ぼす影響の仕方は,以下のように,患者群によって異なることが明らかになった.
小児科系病棟と外科系病棟では,ケア必要度が高い患者割合と有資格者数(小児科系では准看護婦を含まなくても)との間に有意な関係が認められた.一方,内科系病棟と混合病棟では,ケア必要度が高い患者の割合は有資格者の配置数には関係していなかった.また,看護度A-1の患者割合が比較的多い産婦人科病棟においても,看護要員配置数にはケア必要度からみた患者構成による影響がみられなかった.
精神病棟全体ではケア必要度が高い患者割合が非常に少ないにも関わらず,病棟毎のその割合の多少が看護婦配置数に影響していた.逆に,老人病棟は全般的にケア必要度が高い患者割合が多いが,その割合の多少と看護要員配置数との間には関係が認められなかった.
適正な看護要員構成を導き出すためには,今後,ケア必要度に対応する業務内容の標準化につなげられるより詳細な調査や事例的観察を行なう必要がある.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.