特集 物品管理を見直す
環境整備の視点からみた物品管理の現状と問題点
酢屋 ユリ子
1
1北里大学病院事務部環境整備課
pp.160-165
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900097
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はじめに
病院の物品管理については,医療の複雑な機能と専門化・細分化する組織,さらには人的,物的社会的環境の変化などに対応するために,柔軟かつ迅速な,より適切な,より効率的な管理手法が必要である.従来,欲しいものを自ら手に入れ管理する体制(分散化)が主であったが,欲しいものが与えられる体制(中央化)に変わり,中央機能の進め方如何によっては,必要性の吟味の枠を超えて余分(メーカーサイドから,職員サイドから)に追加され,物があふれるといった懸念もある.何を与え使用していくかは,病院の資産の運用である.その資産が適切なものであり常に良好な機能を発揮できるように,その手段をシステム化することが大切である.
しかし,そのシステムはただ維持するだけの機能ではなく,新しい管理手法を入れたり,あるいは目的を同じにした他の効率的な手段へと絶えずシステムを見直すといった姿勢が必要である.したがって,システムには欲しいものつまり要求にそのまま従うといったことでなく,柔軟に対応しつつもそれから脱皮する一つの変化を総合的に調整する機能も持たせるべきである.以下,病院の環境整備に係る,いくつかの物品管理上の現状と問題点について記述する.
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