特集 物品補給と倉庫管理
管理者からみた物品管理の意義
森 直一
1
1武蔵野赤十字病院事務部
pp.15-21
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202957
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1.はじめに
医業は,一つの企業であるといわれている。企業の本質は,「人」「物」「金」という3つの要素で組織されている単位なわけであり,さらに,いいかえれば,企業は,生産を目的とするものであって,この企業のなかで,その生産目的からいって,純粋に営利を目的とする私企業と,非営利的な目的をもつ公企業に分けられる。これらの区分は,誰が所有しているかによるものであって,出資ないし所有者が,国家または公共団体である公共機関であれば,公企業であり,これに反して,私企業は出資,所有とも個人または,不特定多数の人的集団(株主等)のため,長期かつ適正な利益を実現し,企業の維持発展を図ることを目的としているのである。
ここまでの段階では,企業は単に静態的,構造的な面だけであるが,企業が,その発展と,利益の永続性といったことを考える場合は,動態的,行動的な面がなければならない。これが経営である。企業は,その経営活動をとおして,その本来の目的に焦点を合わせて,合目的的な活動をするため管理しようとするものであるから,経営管理ということは,企業という1つの構造体を,その目的のために合理主義によって把握しようとすることにある。したがって,いわゆる経営管理の根本的な理念は,合理主義の実現にほかならないと了解できるのである。
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