巻頭シリーズ 気になる病院の魅力・7
事業部制組織への変革でビジョンを実現する—聖十字病院の取り組み
木野 徳磨
1
,
藤木 誠
2
,
磯野 貴弘
3
1聖十字病院 事業運営部
2聖十字病院 経営戦略企画室
3聖十字病院 事務管理部
pp.737-742
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202742
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岐阜県土岐市に位置する聖十字病院(表)は,社会医療法人聖泉会(以下,聖泉会)が経営する204床の精神科単科病院だ。「ΣΥΜΠΑΘΕΙΝ(シンパセイン)—共に感じ,共に生きる」(写真1)という理念のもと,患者の悩みや苦しみ,喜びを共に感じることを実践しながら,精神科医療・福祉のあるべき姿を追求し,患者・利用者・ご家族・地域の方々に信頼と安心を提供している。また,「こころの総合医療・福祉の実現」をビジョンとし,時代や地域のニーズに応じて事業を展開していくという方針を掲げる。精神科単科病院としては珍しく,3名の精神看護専門看護師が在籍していることも特徴だ。
同院では,多くの病院と同様に看護部や診療部,福祉部など,職能別の組織形態を採用していた。しかし,2020年10月に明確な責任範囲と権限に基づいた指揮命令系統をベースに,職種にとらわれず事業(機能)ごとにまとまった事業部制組織へと変更(図1)。これにより,事業部ごとに意思決定が行えるようになり,患者や利用者,地域のニーズに柔軟かつスムーズに対応しやすくなったという。また,看護師,作業療法士,精神保健福祉士などの多職種が同じ部署に所属すること(写真2)で,質の高いチーム医療を実践するための連携が強化された。
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