連載 看護管理 ときにはバーディー ほぼパー・11
キャリア—私たち看護職はどう生きるか
坂本 すが
1
1東京医療保健大学
pp.1022-1025
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202532
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数年前に『LIFE SHIFT』1)という本が話題になりました。これまで「教育」「仕事」「引退」という3つのステージで人生を考えてきましたが,寿命が延び,「人生100年時代」が到来する中,新たな学びを繰り返しながら新しい仕事に挑戦していくという「マルチステージ」の生き方が提唱されていました。この本に触発されて,これから先の人生をどうするか,それに伴って看護師としてのキャリアを考えた人も多かったのではないでしょうか。
看護師のキャリアが話題に上ることが多くなったのは比較的最近で,2000年代に入ってからという印象があります。この背景には,看護の高等教育化や専門分化,看護系大学院の増加,さらに,団塊世代の定年退職後のセカンドキャリアや多様な働き方への関心が高まったことがあると思います。現在働いている看護師は,キャリア教育は受けていないため,ライフイベントなどで退職する人もいるし,転職を繰り返す人,なんとなく定年まで勤め上げる人もいます。対して,小学生の頃からキャリア教育を受け,何年後にどこでどのように働くというようにキャリアプランをしっかり持っている若い世代もおり,キャリア観もさまざまでしょう。今回はキャリアについて,掘り下げて考えてみたいと思います。
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