特集 介護職とうまく協働する方法
看護職からの視点
介護職に育てられた私
武井 麻子
1
1日本赤十字看護大学
pp.22-24
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900521
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●戦場のような病棟で
「介護職」といっても,私が臨床で働いていた頃にはそんな呼び名はなく,ただ「補助さん」と呼ばれていた。もう20年以上も前のことである。職場は,東京から特急で1時間30分かかる海辺の,180床規模の民間精神病院で,慢性期の統合失調症患者はもちろん,急性期やうつ病患者,老人性痴呆患者,てんかんをもつ精神発達遅滞患者,それにいわゆる境界例の患者などがひしめきあい,「戦場のような病棟」という言葉が単なる形容にとどまらないところであった。
そんな病院で,戦前に看護師資格をとった2人の主任以外,正規の看護師は私しかおらず,70床の病棟に正・准看護師はパートも入れて3~4人しかいないという状況だった。
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