特集 施策を生む研究と実践
【施策を生む実践2】ヘルスプロモーションが政策の軸に据えられるまでの道のり
三上 公子
1
1青森市保健福祉部健康づくり課
pp.32-42
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902377
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浅虫地区がヘルスプロモーションに基づく新規事業のモデル地区となって2年目を迎えた春のこと,あるイベントに「市民ワーキング」のメンバーがボランティアとして参加していました。私はいつものように「こんにちは」と押しかけ,あつかましくも豚汁とおにぎりをいただき,世間話の輪に何気なく入って海を見つめていました。
春先の寒い風の中,隣りに座っていたXさんが海を見ながら,「あのね,誰にも言ってないのだけど,“生き生きサークル浅虫”って名前は投票の時私が書いたものがみんなに選ばれたの。私ね,いまは健康じゃないけど,生き生きしたいし…。いつか健康になったら,みんなの前で『私は健康で生き生きしたくてこの名前をつけたの』って言える日が来ると思うの。それまで黙っててね」と話しかけてくれました。
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