書評
看護サービスの経済・政策論—看護師の働き方を経済学から読み解く 第2版
金井Pak 雅子
1
1関東学院大学看護学部
pp.66
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201764
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看護サービスの向上につながるマネジメントのヒントが得られる1冊
看護が追求するのは,人々の健康であり,その人らしく生きることを支援することである。一方,経済学が追及するのは,人々のよりよい生活である。これらは究極的には,人々の「幸せ」を探求することにつながっている。このことを学問的に分かりやすく解説したのが本書である。経済学者がこれほどまで看護サービスについて,さらには看護師の働き方や政策に至るまで,客観的データに基づき分析・解説している著書は,日本,いや世界でも類を見ない。
本書は,『看護師の働き方を経済学から読み解く—看護のポリティカル・エコノミー』の改訂版であるが,内容としては,さらに生産性について,「看護」と「看護師」の両側面からの解説,そして看護師のワーク・ライフ・バランスなどを追加している。また,看護師の賃金格差が生じるメカニズムやその実態を人的資本論の観点からデータを用いて詳細に分析している。随所に出てくる経済学者ならではのデータ分析は,著者の論点を力強くバックアップしている。
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