特集 セルフ・コンパッション リーダーが自分を思いやることで組織が豊かになる
—3人の看護師長のケースで学ぶ—感情をコントロールできないときに,自分を大切にするためのエクササイズ
岸本 早苗
1,2,3
1マインドフルCARE®
2京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康増進・行動学教室
3京大マインドフルネス&セルフ・コンパッション研究会
pp.988-998
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201712
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看護管理者の皆さんは,増える一方の業務を,多くのプレッシャーやストレスを感じながら担っています。スタッフや多職種と関わる中で,ネガティブな感情を抱くこと,時には感情がコントロールできないこともあるでしょう。
ここでは,そのようなときに,マインドフルネスやセルフ・コンパッションのエクササイズによって対処する方法を紹介します。看護師長が直面しがちな「失敗」「怒り」「バーン・アウト寸前からのレジリエンス」,以上3つのケースから学んでみましょう。
3つのケースは,それぞれ❶看護師長のダイアローグ,❷看護師長へのフィードバック,❸心のエクササイズ,❹ケースのまとめ,で構成されています。紹介している心のエクササイズは全てを無理にしなければならない,というものではありません。心がオープンになっていると感じられるときに安全な範囲で探検し,やりすぎだと感じたら,いつでも自分の心が安全でいられる範囲に戻ってくる。これは自分を思いやる「心の筋トレ」にとって大切なことです。
なお,本特集でご紹介している心のエクササイズは,科学的なエビデンスに基づく「マインドフル・セルフ・コンパッション」(MSCTM)のプログラムに基づく内容です(p.974コラム参照)。MSC認定講師の岸本のこれまでの実践や日本での指導に基づき,解釈を加えて日本語で分かりやすくお伝えします。
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