巻頭シリーズ 【石垣靖子氏 対話シリーズ】看護と倫理 尊厳を護るケアの担い手として・2
医療の本質はやさしさにある—東札幌病院が築いた人間尊重の医療[後編]
石垣 靖子
1
,
石谷 邦彦
2
1北海道医療大学
2東札幌病院
pp.97-101
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201500
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東札幌病院は,北海道で初めてのホスピス緩和ケアを提供する病院として,1983年に札幌市白石区に創設されました。以来,進行・再発・末期のがん患者に医療を提供する専門病院として運営してきました。現在は札幌市のがんによる死亡者の約2割の看取りを行っているほか,訪問診療・看護をはじめとする地域包括ケアも手掛けています。
私は1986年に東札幌病院に看護部長として採用していただき,以来,石谷先生と多くの職員たちと共に人間尊重の医療を志向しました。同院では約40年前から,尊厳を護る(相手を人間として遇する)ケア,多職種によるチーム・アプローチ,病院運営や患者ケアの要としてナースを位置づけるなど,先駆的な実践がなされてきました。
2回にわたり,同院の開設者で現在は理事長を務める石谷邦彦先生と東札幌病院の軌跡を振り返ります。後編では,臨床倫理への取り組みを中心にお話を進めます(石垣靖子)。
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