連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・161
絵が語る深い思い,夢幻の世界
柳田 邦男
pp.1156-1157
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201472
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大人が絵本を読んで興味を引かれるのは,どういうことなのか。それは,幼児が動物絵本に興味を持ったり,昔話やおとぎ話の絵本を読んだりするのとは,かなり違っていると思う。大人は絵本のなかのごく簡単な言葉に生きることや心の持ち方などにかかわる深い意味がこめられていることに気づいたり,頁ごとの絵がとても味わい深いものであったりするなど,絵本によってそれぞれの特質がある。
ただ問題は,絵本を手にした大人が,絵本ならではの言葉や絵にこめられた深い意味を汲み取る感性を持っているかという点にあるとさえ言える。
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