連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・11
暮らしを支える担い手として,常に先を見据える
平岡 翠
1,2
1名古屋市立大学
2名古屋市立大学病院
pp.259
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200928
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戸惑いの中で看護師長としてのキャリアがスタート
私が看護師長に昇任するきっかけは,突然やってきた。名古屋市立大学病院は2006年に法人化され,運営母体は公立大学法人である。1993年に看護師長になった当時は名古屋市の1機関で看護職員も公務員だった。そのため看護師長は名古屋市が実施する係長選考試験を突破する必要があり,私は経験10年を経た時点で,軽い気持ちで受験してみたところ,予想外に「合格」となり,そこから私の看護師長時代はスタートした。管理者になることを想定していなかった私は,看護師長に昇格したことに相当な戸惑いを抱えた。患者へ良質な看護を届けることに熱中していた私が,突然「管理する」ことになり,何を,どうやって……。しかも,毎日難問難題が容赦なく降りかかり,悪戦苦闘した。
しかし,その間の経験と看護管理の学習は私を強くした。直接患者へのケアを自分が実践することは少なくなったが,スタッフを通して看護を届けていることに気づき,逆に看護師長としての面白さにはまってしまった。
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