連載 とらうべ
助産婦よ,健康教育の担い手に
逸見 武光
1
1前・東京大学
pp.865
発行日 1991年10月25日
Published Date 1991/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900424
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先だって(1991年6月29日),日本健康教育学会が発足した。私も関心があるので第1回会合に参加した。私の専門分野はメンタルヘルスであるが,精神医学出身の同僚の顔はなく,また設立発起人の名簿にも精神科医は見当たらなかった。やはりそうか,と思う反面,残念でもあった。
わが国でメンタルヘルスが保健の枠組みの中で考えられるようになったのは,今世紀に入ってまもなく,学校保健の中で精神遅滞児対策が取り上げられたことを除くと,地域や産業の分野では最近のことである。西欧の生物医学的健康概念と方法を学ぶのに忙しかったためであろうが,メンタルヘルス概念の導入にはずいぶんちゅうちょしたようである。「こころの安定」が果たして保健のパラダイムで論じうることなのか,という疑問も長く解けなかった。
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