グラフ
病院のかげの担い手営繕課員
pp.9-16
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202116
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医師看護婦が人体の健康を管理するように病院営繕課は病院建物の健康管理を行ない病院診療業務がスムーズに行なわれるよう日夜努力している。その仕事は縁の下の力持ちて院内一般の人には目立たない存在であるが,その守備範囲の広さは病院本館から遠く職員宿舎まてに及んている。病人を収容している建物は一般の建物の管理と異なり一刻を争う仕事が多く,電気工事,管工事等は,特に診療業務を休止させることなく修理改修を行なうのであるから,大変である。また木工作、塗装の工事も短かい愚者の不在期間を縫って行なわれる。毎日多数の修理伝票が院内各所から提出されるが、緊急を要するものが多く,毎日この伝票からどれを優先して仕事にかかるかを決めるのも営繕課員の頭を痛める仕事である。
近年医療も段々と近代化されてきているので,その整備保守にも最新の知識と専門の技術とが要求されるようになり,一昔前の保守管理の様式ては営繕の仕事はできなくなってきている。最新の設備を持った病院も,その設備の管理保守が完全におこなわれなかったら,かえって設備が病院の負荷になるであろう。このように重要な役割をもっている営繕課の業務が完全に営まれるためには,課員自身の努力はもとより,病院幹部の理解や医師,看護婦の協力が是非とも必要とされるのである。
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