連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・2
師長としての誠意
須藤 久美子
1
1株式会社麻生 飯塚病院
pp.499
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200724
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私が初めて看護師長として勤務したのは,呼吸器内科・血液内科の病棟だった。がんの患者さんが多く忙しい現場であった。ある時医師から「抗がん剤の点滴を看護師がやったらどうか? 注射は看護師のほうがうまいんだから」と言われた。私は,「えっ!? 医師の仕事を何で看護師がやるのですか? 看護師にしかできない仕事があります!」とにべもなく断った。
しかし,病棟では治療予定の患者や担当の看護師が「先生はまだですか?」と医師を待ちわびていた。医師は午前中外来診察をして,午後から病棟の患者を診るということが多かった。医師も気にはなっているようで,お昼過ぎに外来を抜けて走ってきて「まだ外来終わってない。薬出してくれている?」と自分で処方した薬剤を慌ただしくミキシングし,走りながら患者の部屋に行き点滴をして「後はお願い!」と外来に戻っていった。
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