インタビュー
誠実と誠意であたるはげしい組合活動にもまれて—大阪厚生年金病院総婦長美濃かず子さん
所沢 綾子
pp.62-63
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911908
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《総婦長もナースであるのに》
大阪厚生年金病院といえば,大阪赤十字病院と肩をならべて,活発な組合活動で知られた病院。総婦長,美濃かず子氏も,名総婦長の実力で知られている。だが,その名総婦長も,組合との関係において,自分をどの立場においていいか,ずいぶん苦しい思いもし,苦しい立場に追い込まれたようであった。美濃氏の頭からさらなかった問題は,「自分は看護婦であり,看護婦の味方であるのにちがいない。そして,今までも,今も,看護の発展のためにだけ,病院の中で発言してきたつもりであった。それなのに,なぜ,自分があたかもナースの敵のような立場に立たされ,つき上げられなければならないのか」という疑問であったという。どこの総婦長さんも胸の中にもこの疑問がひそんでいるのではないだろうか。しかし何回かの組合との接渉や団体交渉の中で,自分の立場を明確につかまえつつあるのが,現在の美濃氏の心境のように思われる。組合要求のいくつかの事項を質問する中で,美濃氏の考え方をうかがってみたいと思う。
《組合要求の賃金》
—ナースの賃金についてどうお考えになられますか。
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