特別寄稿
ノーマライゼーションへの道程—共に生きることへの誠意・3
大田 仁史
1
1茨城県立医療大学附属病院
pp.248-252
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902355
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病苦は心を耕し,増幅する
病者や障害者,老人は,私たちにとってどのような役割を果たしてくれているのか.そういった方々のなかから二,三の方をご紹介いたします.
解剖学者で癌のために若くして亡くなられた細川宏さんが闘病中に作られた詩が,遺稿集として『病者・花』(現代社刊)にまとめられています.先生の詩には,同じように病と闘う人々に対するエールのような詩も多く見られますが,医療者への同業の立場からの「しっかりせよ」といったメッセージもあります.いま,盛んにいわれているインフォームドコンセントのさいの心構えについても述べられています.闘病中に書かれたいろいろな詩が残されています.私は,「人間というものは,病に冒されてはじめて心の豊かさを持ちうる」と病を積極的にとらえようとされた詩に心を打たれます.たくさんの作品のなかから二つの詩の一部を紹介いたします.
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