連載 リレーエッセイ 医療の現場から
ダイアログ・イン・ザ・ダークを通してみてきたこと
金井 真介
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1特定非営利活動法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン
pp.1069
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101088
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ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下,DID)は1989年にドイツで始まったプロジェクトで,完全に真っ暗な中で,日常空間を視覚以外で体験するというものです.7人1グループとなり,各グループに1人,アテンド(案内役)がつきます.アテンドは,視覚に障害を持った人です.これまでに世界20か国で200万人以上が体験し,開催する国や都市によって中身は異なりますが,「参加者がグループになる」「視覚障害者が案内する」というコンセプトは変わりません.
私とDIDの出会いは1993年頃,日経新聞の記事で,ウィーンでのDID開催を知ったことがきっかけでした.バリアフリーやユニバーサルデザインといった概念も普及していなかった当時,衝撃を受けたのを覚えています.さっそく主宰者のハイネッケ氏に「日本でも開催できないか」と手紙を書きました.その後実際にDIDをローマで体験して,あらためて「これはすごい」と感じ,1999年に日本で初めてDIDを開催しました.これまでに約3万人が体験しています.
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