映画の時間
―宇宙の暗闇を生き抜け―ゼロ・グラビティ
桜山 豊夫
pp.60
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102936
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先月ご紹介した『少女は自転車にのって』では少女が自転車に乗りました.今月ご紹介する『ゼロ・グラビティ』では女性が宇宙船で活躍します.趣の違う2つの映画ですが,「女性が輝く社会」を目指すうえで,ともに見逃せない作品です.
ファーストシーンから観客は度肝を抜かれます.そこは地上60万メートルの宇宙空間,宇宙飛行士たちが宇宙船の外でシステムの修理を行っています.優れた特殊撮影技術と3D映像,5.1サラウンド音響の効果もあって,まるで宇宙飛行士たちといっしょに船外活動をしているような気分になります.修理がもうすぐ終わるというときに,地上から緊急連絡が入ります.不用になって破壊された古い人工衛星の破片(スペースデブリと呼ぶそうです)が,別の人工衛星に衝突して多量のスペースデブリが発生し,船外活動を行っている彼らのほうに向かっているというのです.急いで宇宙船に戻ろうとする飛行士たちですが,間一髪間に合いません.地球の軌道上を凄まじい速さで飛んでくるデブリが彼らを容赦なく襲います.
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