特集2 患者・スタッフの安全を守る院内急変対応システム 施設状況に応じたRRS導入と運用のヒント
【コラム】RRSとPACU―術後急変に備えるセーフティネットの必要性
安宅 一晃
pp.570
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686103105
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外科手術を取り巻く環境は激変しており,とりわけ適応拡大と高齢化が加速している。その中で麻酔科に求められているのは,単に件数をこなすことではなく,術中や術後の質の担保である。
特に最近,麻酔薬はすぐ覚醒できるなど調節性のよいことが好まれている。当然,術後の鎮痛や鎮静は必須となる。この手術麻酔と術後の鎮痛・鎮静のコンビネーションは非常に難しく,患者の状態,手術操作によって大きく変化する。術後どの患者も同じように鎮静や鎮痛はできないであろうし,クリニカルパスのような形で術後の鎮静や鎮痛を統一化すると,呼吸停止や心停止に至る可能性が予想される。実際,麻酔関連心停止は約0.05%と報告されていて,1万例で5例に相当する数である1)。この割合に関しては議論があるが,予定手術である点を考えるとやはり何らかのセーフティネットが必要だと考える。
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