連載 師長の臨床・8
看護の知の水脈から読み解く師長の臨床―江川晴『婦長物語』
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部看護職生涯発達学
pp.308-311
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102746
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連載第7回は,幸田文の書いた『闘』1)に描かれている師長の臨床について紹介し,過去から現在まで流れている看護の知の水脈2)について述べた。そこには,心理学や社会学などの他領域で見出された知見をも基盤として取り入れ構築されてきた現代の看護学が未だ確立されなかった時代に,たしかに流れていた知の水脈を読み取ることができた。
第8回目は,今から13年前の2000(平成12)年に出版された,江川晴の著作『婦長物語』3)に描かれている当時の師長の姿から,看護師のもつ『臨床の知』4)の水脈を探り,医療の第一線で仕事をする看護師たちのリーダーである師長の立場から見えるさまざまな課題を,社会に向けて発信する必要性について考えたいと思う。
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