連載 師長の臨床・7
看護の知の水脈から読み解く師長の臨床―幸田文『闘』
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部看護職生涯発達学
pp.222-225
発行日 2013年3月10日
Published Date 2013/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102723
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これまで,連載3回から5回目までは,KKR札幌医療センターの師長の臨床に射程を当てて読み解く試みをしてきた。そして6回目は,同施設の看護部長である髙橋テル子さんとともに,「相互作用によって創造される臨床の『知』」について考えた。これまで4回の稿で納得できたことは,看護管理は,看護部長と師長との「相互作用」であるということであった。つまり,看護がクライアントとの相互作用によって成立する営みであることと同様,看護管理も看護部長と師長の相互作用によって成立する営みとして解釈することができよう。
連載7回目からは今までの方法とは異なり,文学のなかに描き出される「師長の臨床」を読み解くことに挑戦したいと思う。今までに私が出会った文学のなかの「師長の臨床」の記述を取り上げ,私が現代の「師長の臨床」に重ね合わせつつその底に流れる共通の水脈1)を探ろうとする試みでもある。
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