——
「婦長さん物語」予告
関口 修
pp.48
発行日 1954年3月15日
Published Date 1954/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909529
- 有料閲覧
- 文献概要
母と慕うにはあまりに若く,姉と呼ぶには年が隔り,師と仰ぐには日が浅く,フレンドとしてはすこし煙つたい。—それがナースの目に映る「婦長」である。中々意地惡でやかまし屋で,おまけにわからず屋で理屈つぽく,何かといえばすぐきつい目を光らせる。「婦長」は役目だから嚴格なのが当り前である。
だが「婦長」は「婦長さん」である。「婦長さん」となると中々人気がある。時には母よりもいつくしみが深く,姉よりもやさしく師よりも親しく,またフレンドよりも真実味が多い。そして案外無邪気でユーモラスで,わかりがよくて思いやりがあつて,いつもナースの味方になつてくれる。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.