発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909588
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春にはめずらしい雷でした。……その時私は婦長室で,甘いフリージヤの匂いにつつまれながら,默想をつゞけていたのです。虫が古い殻を破つて新しい世界に躍り出すように,私の心境もその時,脱皮しようとしていたのです。
その朝のことでした。
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