連載 師長の臨床・4
生きることは考えること
佐藤 紀子
1
,
森浦 佳奈子
2
1東京女子医科大学看護学部看護職生涯発達学
2KKR札幌医療センター
pp.1166-1169
発行日 2012年12月10日
Published Date 2012/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102648
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連載の第3回目からは,師長の実践を,当事者である師長に具体的に記述していただき,その記述から「師長の臨床実践」を読み解く試みをしようと考えている1,2)。
第3回目は,札幌市にあるKKR札幌医療センターの中野りかさん(師長)の事例を紹介し,卓越した看護師である師長のもつ「知の身体性」について解説した。それは転倒を懸念し使用していた離床センサーが,Aさんにとっては生命を脅かすほどのストレスになっていたことに気づいた中野さんが,看護師とともに状況をとらえ直し,家族とともにAさんの最期のときを創造した看護実践であった。この場面では「身体的な安全」とは次元の異なる「Aさんらしい時間の過ごし方─つまりAさんの心理的・社会的・霊的な生きる時間」を取り戻す看護実践を見出した。
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