連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・79
めぐるいのち 明日への希望
柳田 邦男
pp.888-889
発行日 2012年9月10日
Published Date 2012/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102569
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私たちが悲しみに暮れるとき,再び気持ちを立て直して,明日への希望をもてるようになるには,どうすればよいのだろうか。東日本大震災では,津波で家族や親戚や友人など,大事な人を津波で亡くしたうえに,家もまちもなくなってしまった人々が数え切れないほどいる。数十万人に上るだろう。福島県では,原発事故による放射線被曝を避けて避難生活をしているうちに,病気が悪化して亡くなったいわゆる災害関連死とされた人々とその家族や放射能の汚染がひどくわがまちに帰れない人々が,やはり何十万人といる(1年半近く経った今,避難中の人だけでも約16万人)。
そうした人々は,どうすれば再び生きていく力を取り戻せるのか。とても厳しい課題だ。
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