連載 やじうま宮子の看護管理な日々・71
大人になればわかるわよ
宮子 あずさ
1
1東京女子医科大学大学院看護学研究科博士後期課程
pp.156-157
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102353
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忘れられない恩師の言葉
私が卒業した看護学校には,Y先生という,不思議な魅力のある教務部長がいました。彼女の言葉はしばしば抽象的で,意味深長。うんと後になってから,「そういえばあのときは……」と,とつぜん思い出して考え込んでしまうのです。
あるとき彼女は,学生が受け持ち患者さんの逝去に立ち会った後,主治医がやりきれなさのあまり,「今日,飲みに行こうか」と看護師を誘った場面に憤った学生の話をしてくれました。学校に戻ってきて,「そんなことを言うなんて不謹慎だ」と泣いている学生を見て,彼女は思ったそうです。「まあ,大人になったら,あなたもわかるわよ」と。
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