発行日 1950年5月15日
Published Date 1950/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906644
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子供は大人に比して形態的にも機能的にも甚だ異なつて居り,同じ子供といつても新生兒,乳兒,幼兒,學童の各時期によつて夫々異つていることは申す迄もない。形態的に子供は大人に比して小さいが各部分の釣合いに著るしい差異がある。たとえば薪生兒と大人とについていうと身長の2分の1の點は新生兒では臍の所位にあるが,大人では腰の所位にある。頭の高さは新生兒では身長の4分の1位であるが,大人では身長の8分の1位である。子供は幼若な程頭と胴とが比較的大きい。最も重要な臟器である腦及び胸腔,腹腔内の臟器がまず著るしい發育をしていることをしめしているのである。
子供が發育するに從つて體重の増加する割合を見ると新生兒の體重は約3瓩であるがこれが4カ月近くで2倍になり,1カ年で3倍になり,5年で5倍になり,12で10倍になる。發育の速度が幼若な時期程如何に大であるかと云うことが分る。女兒は男兒に比して一般に體重も身長も少し少ないのであるが,12年から14年頃迄の間は女兒の身體發育が特に旺盛となつて此期間丈けは體重も身長も女兒の方が男兒よりも大となるのでる。性的成熟が女兒には男兒よりも早く來るからである。
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