書評
悲嘆とグリーフケア
菅原 典子
1
1むつ総合病院
pp.158
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102354
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もう涙はこらえなくていい─悲しみを通して今を生きるために
看護師として,遺族のひとりとしての悲嘆
筆者はこれまで助産師として産婦人科病棟に20年以上勤務し,多くの出産に立ち会い,小さな幸せをたくさん感じてきました。でも,助産師として2年目。小さな命の灯が消えたとき,涙をこらえるのが精一杯で,母親の悲しみに寄り添うことができなかったことは,20年経った今でも後悔の一つとなっています。
その後,看護師長として病棟に勤務するようになってからは,産婦人科とは違う患者との別れを経験しました。昨日まで元気だった人が,突然倒れて亡くなってしまう。家族にとってはなおさらのこと,その死を受け入れることは簡単なことではありません。
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