連載 政治と看護の話をしよう!・2
義務教育で看護を教える
石田 昌宏
1
1日本看護連盟
pp.143
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102348
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教育はまさに政治の産物でもある。今の日本でも教科書には検定があり,国の方針にそぐわなければ教科書として出版できない。たとえ出版されたとしても採択されなければ簡単には普及しない。教科書採択問題というやつだ。2011年夏,沖縄県の八重山地区で,中学校の歴史と公民の教科書を選定するにあたり意見の対立が起きた。文部科学省,市町村教育委員会らの意見の整合性がとれず,いまだ収拾していない。その背景には,歴史認識問題といわれている日本の近代史に関する認識のずれや思想の違いがある。
今,日本の政界は,民主党を中心とする与党と自民党を中心とする野党という政治構造となっているが,議員個々をみると,なぜその政党に属しているかよくわからないことが多い。本音ではマニフェストに共感しているからというより,単に選挙で出馬しやすいからその政党に所属しているという議員も少なくないのではないか。こういう状況だから,もし政界再編が起きるとすれば,その対立軸は歴史認識となるべきだとの指摘が強まっている。つまり,教科書に何を書くのか,どう教えるかは,まさに政治のあり方の問題なのである。
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