連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 17
個人情報保護と守秘義務をどのように教育するか?
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.924-929
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200331
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情報管理における現状把握と課題の明確化
情報通信技術の急激な進化により,スマートフォン,タブレット端末,ソーシャルメディアなどが普及し,日常生活や働く環境に大きな変化がもたらされた。情報収集や発信が瞬時にできるなどさまざまな活用が可能となり,利便性が高まっている反面,医療の現場に限らず,さまざまな情報の漏えいや,不適切な情報の掲載など,個人情報保護に関わるトラブルも少なくない。このため,情報管理のセキュリティや活用に関する留意などの課題への対応が急務である。
医療の現場には,安全で良質な医療を提供するため,患者に関する個人情報が複数の職員を介して収集・伝達される状況がある。個人情報の不適切な伝達方法・管理によっては,個人情報の漏えいなどの問題が発生する可能性が少なくない。個人情報には,氏名,年齢,住所などの基本的な事項の他に,病気に関するさまざまなデータが含まれ,情報が漏えいした場合の影響は大きく,医療機関の信用にも関わる重大な問題である。急速な電子化により便利になった反面,いったん,情報が漏えいした場合には大きな影響が発生する恐れがある1)。
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