連載 仕事に燃える現場づくりのヒント・12【最終回】
個人の自立と自律―ともに成長できる組織づくりのために
松村 啓史
1
1テルモ株式会社 経営企画室
pp.208-211
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101432
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時の変遷とこれからの病院経営
いよいよこの連載も最終回を迎えました。この1年,連載を続けてきてつくづく思うことは,時代は大きく変わってしまい,新たな次元に入ったということです。経済全体では,百年に一度という世界大恐慌が起こり,過去からの延長線上での戦略や考え方は,もはや通用しなくなってしまいました。本質的には,膨らんだ異常な事態がパンクして元に戻り,まともな時代になったともいえます。
2001(平成13)年から2008(平成20)年初頭までの7年間の世界のデータを見ると,実体経済の年平均成長率は3.2%です。ところが金融経済つまり世界株式市場の時価総額の年平均成長率は13.6%なのです。つまり,実体経済を10%以上も超えて金融投資市場が異常に膨れ上がってしまっていたのです。これでは,破綻するのは自明の理です。しかし問題は,金融破綻が契機となり,経済危機意識という心理的な要因が加味され,本来金融経済とは関係の薄いところまで,大きな影響を受けてしまっていることです。
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