連載 管理者のためのブック・セレクション・8
組織の問題としての「判断の誤り」
佐々木 美奈子
1
1東京医療保健大学医療保健学部看護学科
pp.929
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102212
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なぜ組織としての判断を変えられないのか
「原発問題」「原子力村」の報道を見るたび、問題を指摘する人々がいたにも関わらず、なぜ、組織として、判断や方向性を変えることができなかったのだろうか?と思い、『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』を読み返してみた。
日本軍を組織として捉え、日本軍の作戦の失敗例を丁寧に解説しながら、なぜ組織は誤った判断したのかについて、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦の6つの作戦を題材に、詳しく解説したうえで、戦略・組織における日本軍の失敗の分析、日本軍の失敗の本質と今日的課題について論述されている。1984年という25年以上前に書かれた本であるが、史実にもとづきながら、組織としての失敗が丁寧に描かれており、読み応えがある。
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