検査じょうほう室 輸血:輸血検査と血液型の謎
血液型検査結果の誤りの見つけかた
永尾 暢夫
1
1大阪府赤十字血液センター製剤部
pp.1262-1263
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905613
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はじめに
血液型の検査,特に家系調査を行ったときにその成績に疑問を持つことがある.極めてまれな血液型の保有者になっていたり,親子関係を疑う結果になっているからである.そのようなときには,抗体活性の不十分な抗血清を用いなかったか,抗体の試験管への入れ忘れがなかったか,検体の採り間違いがなかったかなど,検査側の誤りをまず考え,再検査する.前回と同一結果であれば他の原因を考えるが,前回の成績と異なる場合,その新たな検査結果(過去の成績と異なり再現性を認める)は,被検者の成績あるいは家族の親子関係を満足させることが多い.
このように自身あるいは他の人が行った検査結果が,正しいか否かを判断する能力(知識)を持つことは,検査を行う者として必要不可欠なことである.ここではその判断方法の1つを例示する.
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