書評
誤りやすい異常脳波(第3版)
飛松 省三
1
1九州大学大学院脳研・神経生理学
pp.457
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100259
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脳波を自在に読みこなすために
コンピュータ断層撮影法(CT)や磁気共鳴画像(MRI)の発達により,脳の形態異常を画像として捉えるのは容易になってきた。このため,脳波の有用性を理解している神経内科医,精神科医,脳外科医ですら,近年は脳波よりも画像所見を重視するようになってきている。しかし,画像として捉えられることの少ない機能的神経疾患群,特にてんかんの診断と治療には脳波は欠かせない補助診断法であり,代謝性脳症,脳死の診断にも有用な検査法である。脳波を自在に読みこなすには,脳波に対する経験と臨床的知識が不可欠である。しかも,脳波はデジタル情報ではなくてアナログ情報である分,記録用紙に書かれた膨大な量の波形に対して,どこが正常でどこが異常なのか見当をつけなければならない。その意味で初学者にとって脳波は厄介な存在である。本書ではそういった脳波波形のどこに目を向けて判読すればよいのかが簡潔にまとめられている。
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