特集1 引き継ぎ時間短縮から労働環境の改善につなげる
看護業務の引き継ぎ時間の短縮はどこまで可能か―成果と今後の課題
村松 勝美
1
1青梅市立総合病院
pp.446-448
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102062
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はじめに
これまで病院は,24時間365日切れ目のない医療・看護を提供するために,看護師は全員で引き継ぎ(申し送り)を受けることが必要不可欠であると認識し実践してきた。しかし,近年は安全・安心,かつ個別性の看護に移行し,待ったなしの適切なケア・指導が要求されている。看護師1人が状態を把握し,個別性の看護が提供できる患者の数は7~8人であるといわれている。そのような折,全員で聞く引き継ぎが,継続看護に活かされるのか,本当に必要なのかは疑問で,引き継ぎに30分前後の時間を要している現状もある。また,引き継ぎを受ける人のなかにはメモもとらず,聞いているだけの看護師もいて,まるでセレモニーのように感じる。そして,実際に処置・ケアをするときは指示簿,指示表を確認してから行動に移しており,引き継ぎ自体やそれに費やす時間が果たして有効であるのかと疑問に感じていた。そこで,引き継ぎがなくてもいいのか,またどこまで短縮できるか,という課題に取り組んだので報告する。
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