特集 業務の継続的発展を願って
熊本県の保健婦にみる業務引き継ぎの実態
先輩の業績を生かし発展させるために—3つのケースを通して引き継ぎの問題を考える
飯川 貞子
1
,
成田 栄子
2
1熊本市西保健所
2熊本大学教育学部看護科
pp.810-817
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206419
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
母子保健活動のモデル地区だったのに
—天草郡五和町の場合—
キリシタンの歴史とともに,蒼い海と山々に恵まれた天草下島に位置する五和町は,長崎,雲仙と阿蘇を結ぶ観光ルートの要衝でもある。五和町は人口13,746人(世帯数3,627),面積50.16Km2の山手3町村,平野部2町村の五つの町村が昭和30年町村合併とともに誕生した町である。
昭和49年からこの町の保健婦として勤務している高橋さんが,昨年11月"つちの会"の集まりの席上で「私は昨年1年間,何もやる気がなかったんです。それに仕事にも自信がもてなくて……」というのを聞いて驚いた。昭和53年保健婦研修会で五和町でのすばらしい母子保健活動の報告がなされたのがまだ私の念頭に生々しく残っていたし,他の町村でもその報告をモデルに母子保健活動に力を入れるきっかけになった仲間もいたからである。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.