特集2 経営感覚を看護部の組織文化にする取り組み
「やるき塾」の頃―経営改善の草創期
河村 博江
1
1独立行政法人国立病院機構
pp.316-319
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102017
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「やるき塾」の頃と法人化後の国立病院機構の経営改善の状況
当機構石尾監事(当時)の主宰の下に,経営の基礎を学ぼうと東京近郊の病院の看護師長さんクラスが私的な勉強会「やるき塾」に集まったのは,2004(平成16)年に国立病院・療養所が独立行政法人化し,官庁会計から企業会計に移行してまだ間もない頃であった。当時,各病院では企業会計に基づく月次決算報告・検討会を毎月開催しており,参加した医師・看護師ともに経営や会計の専門用語に不慣れで資料の理解に一苦労する状況であったと思われる。
今では月次決算はすっかり定着し,病院幹部職員の病院経営に対する姿勢も院内外の状況把握の的確さも国時代とは比較にならぬほど高水準のものとなっている。法人全体の経営基盤も逐年強化され,例えば,損益計算では総収支率で見て2004年発足時の99.9%から2009年度には104.4%へ改善し(表1,表2),国から引き継いだ時点では7500億円もあった長期借入金残高も2009年度末では5500億円弱に減少し,144の機構病院の中で赤字病院の数も2004年度75病院から2009年度31病院へと減ってきている。
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