今月の主題 私と臨床検査―先達の軌跡
私と臨床検査
草創期の免疫血清分野での標準化
菅原 孝雄
1
Takao SUGAHARA
1
1国立感染症研究所
キーワード:
WHO staudard
,
IU
,
NU
,
JCCLS
,
CRM470
Keyword:
WHO staudard
,
IU
,
NU
,
JCCLS
,
CRM470
pp.260-262
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100373
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1.はじめに
昭和40年代に入って,抗原抗体反応を利用した免疫学的診断法が急速に進歩し,その鋭敏度,特異性が優れていることから多用されるようになった.
当時,私は国立予防衛生研究所(現・国立感染症研究所)の免疫血清部門に在籍し,梅毒血清学検査法などを担当していた.梅毒血清学的診断法は,当時としては臨床検査のなかでも重要な部門であった.手技の標準化はもちろん,診断薬キットの精度を検定することが業務として行われていたが,そのために必要なものは標準血清であった.患者血清をプールし,一定量の抗体を含む抗血清を製造し,これを自家参照標準品として用いていた.このような関係から,私は臨床検査の標準化に興味を抱かざるを得なかった.
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