理学療法草創期の証言
清瀬リハ学院草創のころ
松澤 博
1
1神奈川県立ゆうかり園機能訓練科
pp.630
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104090
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我が国における理学療法士,作業療法士の養成は1963年5月,東京都清瀬市(当時は清瀬町)の国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院で始まった.東京病院清瀬病棟の広大な敷地の中には結核療養所の古い木造の病棟が何棟も立ち並び,それらの棟は松林に囲まれ,療養所のもつ独特な奮囲気の中,我が国初のリハビリテーション学院は敷地の片隅にあった.
我が国における理学療法士,作業療法士養成校の第一号とはいえ,その建物は古ぼけた木造平屋建の病院附属の建物を改造したものであり,正面入口を入って右に折れて事務室と教室が一つ,左に折れて学生宿舎が廊下で結ばれた一棟であった.これは,1963年とはいえあまりにも粗末な感じのするものであった.このような環境でのスタートは,リハビリテーションとは,あるいは,理学療法とは何なのかを十分に理解することができないままに集まった学生の中には,希望とともに,そのあまりのみすぼらしさに大きな不安を抱いた者も少なくなかった.
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