特集 看護部のマネジメントは病院移転でどう機能したか――日本赤十字社医療センターの場合
病院移転を成功させる方策とは―病院移転のあらましから
井本 寛子
1
1日本赤十字社医療センター看護部
pp.786-789
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101822
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はじめに
日本の医療施設は,高度経済成長を背景に1965(昭和40)年前後に急増した。それから約40年経過した現在,多くの医療施設では建て替えの時期を迎えている。
日本赤十字社医療センター(以下,当センター)も,その例外ではなく旧病院は1975(昭和50)年の建築で,耐震などの問題を抱えていたことから,やや時期を早め2010(平成22)年に新築移転を終えた。
“病院の移転”は,通常の引っ越しとは異なり,そこに医療現場や患者が存在することで,その行程は精巧かつ緻密である必要性がある。完了までには,建築構想,患者移送,医療機器の移設,物品の移転,そしてそれらの行程に起因する周囲の環境調整と膨大な作業が存在する。当センターの建築から移転完了については,総期間6年あまりを費やしている。
今回は,当センターが経験した「病院移転」のあらましについて紹介する。現在,建築構想に入っている医療施設で参考にしていただければ幸いである。
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