病院建築・15
至誠会関西病院の移転新築
山口 敬二
1
,
弘 照夫
1
,
長谷川 俊一
1
1財団法人建築研究協会
pp.83-87
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203909
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まえがき
この病院の経営主体は東京女子医科大学同窓会による社団法人至誠会で,東京に本部を置き,全国各地方主要都市の同窓会支部の拠点として,卒業生の活動研修のための集会をも兼ねうるものである.今次大戦の初期に,男子医師の不足に伴う国民医療の確保の使命を帯びて,昭和16年7月に,木造2階建て延べ1035m3(定床数60床,診療科目:内科・小児科・放射線科・産科・婦人科)の規模をもって診療が開始され,戦中・戦後を通じて広く市民に観しまれ発展を続けてきた.
幸い戦災を免れたものの,20余年の経過は既に木造建築の耐用年限をこえ,その間の補修資材の入手難も加わり,腐朽・老化ははなはだしく,また近年は維持管理のための年間経費はかなりの額にかさんでくるとともに,周辺の病院が新築または増改築されるため,収入減とあいまって改築に踏み切ることとなったのである.
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