特集 退院支援で看護が見える
エキスパートナースから「療養支援の匠」として―患者・家族に寄り添う看護から,新たな地域医療を生み育む療養支援ナース
渡邉 八重子
1,2
1松山赤十字病院看護部
2松山赤十字病院地域医療連携室
pp.1051-1055
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101615
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松山赤十字病院(以下,当院)は,1997(平成9)年地域医療連携室を開設,地域医療支援病院として急性期医療を担当すると同時に,患者・家族の療養の支援と看護がもつ専門性の地域への貢献をめざしたステージ1「地域医療支援病院としての始動」からステージ2「患者の生活の質,顔の見える連携からこころの通う連携」へと展開した経緯を,以前本誌で紹介した1)。
さらに激変する社会環境の中で,ステージ3「競争から協働・共創」を提示する。地域医療の安定的発展プロセスを考察したとき,一医療施設の生き残りのための活動でなく,多様な連携により地域の医療福祉保健専門職とともに新たな価値を創造し,地域住民の療養と健康の支援をめざすものである。
本稿では,患者・家族に寄り添う療養の支援者として,当院内外・地域で活躍する療養支援ナースの活動が,療養支援ナース自身をエキスパートナースから“療養支援の匠”と成長させ,院内外の医療福祉保健関係者へさまざまな影響を与え,さらに看護の質の向上へと増幅されたことを報告する。
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