特別記事
緩和ケアやエンド・オブ・ライフ・ケアに携わる看護師のための教育プログラム―End-of-Life Nursing Education Consortium Japan (ELNEC-J)
竹之内 沙弥香
1
1京都大学大学院医学研究科 医学専攻 社会健康医学系 医療倫理学分野 博士課程
pp.782-785
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101554
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はじめに
看護師を対象に,今まであなたが受けた看護教育の中で,最も多い教育のスタイルは何ですか?と問うと,「講義」という答えが大半を占める。しかし,講義のみによる教育は,準備や実施は容易であるが,その教育によってもたらされる効果も最も薄い1)。このような事実が明らかになっているにもかかわらず,わが国の看護教育の現場では未だに講義のみの教育方法を用いた教育が実践されることが多いのである。その要因として,看護教育に携わる看護師や教員が他の教育方法を身につける機会の不足,他の教育方法の実践に必要な準備時間や教材の不足等が考えられる。緩和ケアやエンド・オブ・ライフ・ケア(以下,EOLケア)分野の教育においても,同じことが言えるだろう。効果的な教育について再検討されることが必要だ。
本稿では,わが国の緩和ケアやEOLケア分野における看護師の卒前・卒後教育の現状をふまえ,米国のプロジェクトであるEnd-of-Life Nursing Education Consortium(ELNEC)について紹介する。そして,ELNECの教育プログラムの日本版であるEnd-of-Life Nursing Education Consortium Japan(ELNEC-J)指導者養成プログラムが開発されたので,その取り組みと展望についても紹介したい。
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