特集 End-of-life
13.「特集 End-of-life」解説―(1)「End-of-life」特集を終えて
矢口 有乃
1
YAGUCHI, Arino
1
1東京女子医科大学 救急医学
pp.141-142
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100395
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最初に,個人的なことで大変恐縮だが,私が医師を志した理由,そして救命救急医療を専攻した理由の1つに,「ひとの死とは何か,ひとの死に携わり考えてみたい」という気持ちがあった。すなわち,尊厳死や安楽死,移植医療など,まさに終末期医療の現場で,医師として「ひとの死」というものの答えを見いだしたかったわけである。今回,Intensivist誌で,特集「End-of-life」が組まれ,藤谷茂樹先生,橋本圭司先生と編集部からゲストエディターとしての参加をお声掛けいただいたときには,まさに光栄の至りであった。
本特集では,我が国の現状と,過去の判例,法学的,経済学的立場,それぞれの専門の先生方のご意見,他国の現状,学会での取り組みを網羅した。マニュアル本ではないが,診療の現場で医療従事者が悩んだときに,自身も周囲も納得できる判断ができるような,2012年時点の日本の終末期医療の教科書的な特集を編集部の方々と目指した。10年後,20年後,時代の変遷とともに過去を振り返ったときに,2012年の日本の終末期医療の現況が残る資料となればよい,とも考えた。
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