特集 地域包括ケアの進化
地域包括ケアとエンドオブライフケア
岩尾 總一郎
1
1一般財団法人 日本尊厳死協会
pp.573-578
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208486
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2013年8月6日,安倍内閣総理大臣あてに提出された社会保障制度改革国民会議報告書には,以下の一文がある1).「医療の在り方については,医療提供者の側だけでなく,医療を受ける国民の側がどう考え,何を求めるかが大きな要素となっている.超高齢社会に見合った『地域全体で,治し・支える医療』の射程には,そのときが来たらより納得し満足のできる最期を迎えることのできるように支援すること—すなわち,死すべき運命にある人間の尊厳ある死を視野に入れた『QOD(クォリティ・オブ・デス)を高める医療』—も入ってこよう」
この報告書を受けて同年12月5日に成立した「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」の第4条第5項に,「政府は,前項の医療提供体制及び地域包括ケアシステムの構築に当たっては,個人の尊厳が重んぜられ,患者の意思がより尊重され,人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境の整備を行うよう努めるものとする」という条文が入った2).
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