増刊号特集 行動する看護師長 これからの臨床看護マネジメントの実践
―より高い成果をめざす―BSCを活用した戦略的目標管理でより高い成果を生み出す
由井 尚美
1
,
井草 小百合
2
1東名厚木病院
2東名厚木病院看護課
pp.717-724
発行日 2009年7月26日
Published Date 2009/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101541
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はじめに
看護部門における目標管理は,多くの施設で導入・運用されている。昨今,BSC(バランスト・スコアカード)の考え方が広まったが,東名厚木病院(以下,当院)では中間管理職(看護部では看護師長)に対して,従来行なってきた目標管理に加えて,成果指標をBSCの4つの視点(顧客満足・財務・業務プロセス・成長と学習)に合わせて成果を数値化するという方略が求められるようになった。
しかし,これはBSC本来の経営戦略的な意味とは異なる使い方であり,成果指標として,目標に到達するための「手段」を4つの視点に当てはめて提示しているだけであることも少なくない。また,当院の目標と十分に連携できていなかったり,日常の看護実践のなかで解決すべき事柄を成果指標として掲げている箇所もある。とはいえ,このBSCの考え方を導入して4年,ようやく看護師長に経営に参画する意識と成果を数値で示すことへのこだわりが強くみられるようになってきた。
ここでは当院で看護師長が目標管理を進めていくうえで,BSCの考え方をどう活用してきたかを紹介したい。
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